現場で子どもたちと向き合っていると、集中の続かなさとスマホの使い方が気になることがあります。ただし、私が見ているのは限られた現場の様子です。それだけで原因をスマホに決めることはできません。
現場で感じることと、研究から言えること

長時間の利用が気になる子を見ると、「スマホを減らせば解決するのでは」と考えたくなります。でも、学習のつまずき、睡眠、学校でのストレス、家庭の状況なども確かめる必要があります。端末の使い方は、その中の一つの手がかりです。
東北大学が2018年に公表した研究では、小児を3年間追跡し、頻繁なインターネット利用と、言語性知能や脳の容積の変化との関連が報告されています。注意して読みたい結果ですが、現在のすべてのスマホ利用にそのまま当てはめたり、一人の子どもを診断したりする材料ではありません。
この結果から「スマホで脳が壊れる」「使う子は必ず能力が下がる」と断定することは避けたいと思います。利用する内容や環境も含めて、生活に何が起きているかを見るほうが、家庭での対話につながります。
時間の長さだけで判断しない
| 見たいこと | 話し合う例 |
|---|---|
| 目的 | 友達との連絡、調べもの、ゲーム、動画。何に時間を使っている? |
| 睡眠 | 寝る予定の時刻を過ぎて使っていない? 朝は起きられている? |
| 集中 | 宿題中の通知で、作業が何度も止まっていない? |
| 気持ち | 見終わった後に楽しい? 疲れる? 比較して落ち込む? |
取り上げる前に、小さく仕組みを変える

- STEP 1利用状況を一緒に見る
- STEP 2守りたい時間を決める
- STEP 3ルールを一つ試す
- STEP 41週間後に振り返る
例えば「宿題の最初の10分は通知を切る」「夜は寝床から離れた場所で充電する」など、具体的な行動を一つ選びます。これは万能な処方ではなく、家庭に合う方法を探すための試行です。連絡や安全に必要な利用も考慮して決めましょう。
大人も同じ時間はスマホを置く。うまく守れなかった日は、責める前に何が難しかったかを聞く。ルールの目的を「管理しやすい子にすること」ではなく、「睡眠や勉強、好きなことを守ること」に置きたいと思います。
子どもに伝えるなら
「集中できないのはあなたの性格が悪いから」と言いたいわけではありません。自分で切り上げにくいなら、意志だけで戦わず、通知や置き場所を変えてみる。楽しむ時間を残しながら、自分で選べる状態を増やしていけばいい。
困りごとが続くとき
眠れない、学校に行けない、気分の落ち込みが強いなど、生活への支障が続く場合は、学校や医療機関などに相談してください。「スマホのせい」と決めつけず、本人が困っていることから話を始めるのが大切です。
参考情報
東北大学:インターネット習慣と小児の発達に関する研究(2018年)
親子で考えるきっかけになる本
以下はスマホやSNSの影響を考えるための読書案内です。本の主張をすべての子どもに当てはめず、家庭での対話の材料にしてください。

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